見込み客との関係性構築には、筋書きが必要です。その理由としては、見込み客の心理状態に適した提案でなければ態度を変容できないことがあげられます。
マーケティングを半自動化できるツールのマーケティングオートメーションでは、見込み客との接点に筋道を立てるシナリオ設計が可能です。
この記事では、マーケティングオートメーションのシナリオについて4つの設定方法を紹介します。よく使われる事例とともに活用してみてください。
マーケティングオートメーションの機能「シナリオ」の目的
マーケティングオートメーションには、シナリオ設計機能があります。シナリオ設計では、顧客の購買心理の段階に合わせた訴求や提案ができます。シナリオ設定の目的は、ターゲットとなる顧客に対して最適な提案をすることで自社の商品やサービスへの見込み度を上げることが目的です。
シナリオとはどんな筋書き
マーケティングオートメーションのシナリオは、設定対象となる顧客が購入するまでの筋書きを設定します。見込み度のある顧客との接点から、購入までに必要な訴求を段階で施すイメージです。
従来であれば、マーケティング担当者が施策を実行し、その結果を参考にシナリオを作成する手間が必要でした。その手間を代替するツールとしてマーケティングオートメーションを活用します。
シナリオの種類
マーケティングオートメーションのシナリオには、3つの種類があります。
・ メールを見込み客にとって最適なタイミングで自動配信するシナリオ
・ 見込み客の反応に適した提案で分岐展開するシナリオ
・ 購買心理ステージごとの見込み客に合わせたシナリオ
マーケティングオートメーションでは、見込み客の状態を起点にしてシナリオを設定します。広告運用とは異なり、見込み客の態度変容を重視して最適な訴求や提案を実現できることがシナリオ機能の特徴です。
シナリオの精度を左右する4つの設定
見込み客の確度を上げるには、シナリオの精度が高くなければいけません。マーケティングオートメーションのシナリオの精度を左右するのは、設定にかかっています。
・ ターゲットの設定
・ メール送信時期の設定
・ メールコンテンツ中身の設定
・ 経由する集客チャネルの設定
ターゲットの設定
BtoBビジネスの場合は、「顧客が誰なのか」となるターゲットの設定が大きなポイントになります。一般的なターゲット設定の場合は、対象となる顧客だけの設定になりますが、BtoBの場合は、対象となる「企業(組織)」と「担当者」2つの設定が必要です。
組織としての意向と、担当者個人の意向もあるためその辺りを加味したきめ細かいターゲット設定が求められるでしょう。マーケティングオートメーションを活用して、自動化できる部分と振り分けて考えましょう。
メール送信時期の設定
シナリオの設定では、ターゲットに向けたメール送信のタイミングも考えなければなりません。見込み客は、購買プロセスを視覚化したカスタマージャーニーが有効です。カスタマージャーニーに沿って、メールを使ったタイムリーな訴求が実現性の向上につながります。
メールコンテンツ中身の設定
タイミングよくメールを配信しても中身を読んでもらえなければ、その先につながりません。見込み客の興味をひく内容とは、そのときに抱えているタイムリーな課題解決です。見込み客の興味をひく課題は、緊急性も内容もさまざまな要件が考えられます。そのため、複数の施策を試すことが求められます。
経由する集客チャネルの設定
マーケティングオートメーションのシナリオ設定では、見込み客に届けるメールなどを経由する集客チャネル設定もポイントとなります。集客チャネルは、Webサイトに限らず、SNSや展示会、ウェビナーなど複数のチャネル設定が必要です。複数のチャネルを想定することで、機会創出の範囲を広げられます。
マーケティングオートメーションでよく使われる事例
マーケティングオートメーションのシナリオは、実際にどのような使い方ができるのか、代表的な活用事例を紹介します。
シナリオ内容 | |
シナリオ事例1 |
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シナリオ事例2 |
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シナリオ事例3 |
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まとめ:BtoBのシナリオならば4つの設定に磨きをかけよう
マーケティングオートメーションのシナリオでは、不特定多数への呼びかけではなくターゲットを絞り込んだ設定ができます。BtoBのシナリオでは、それぞれの顧客企業の抱える課題が異なるため、よりターゲットを絞り込むことが大切です。
今回紹介したシナリオに必要な4つの設定は外せないポイントになります。施策を展開する前に確認して精度の高い訴求を実現させましょう。それら施策を補助する役割としてマーケティングオートメーションが有効です。自動化できる部分をツールに委ねることで時間効率と生産性の向上を実現できます。