マーケティングオートメーションは、具体的にどのような役割を持つのでしょうか。その役割のひとつとして、アトリビューション分析があります。アトリビューション分析は、マーケティング活動における自社ビジネスと顧客のタッチポイントから貢献度を評価する手法です。

今回は、マーケティングオートメーションでアトリビューション分析の精度向上について解説します。

マーケティングオートメーションとアトリビューション分析の関係

マーケティングオートメーションとアトリビューション分析は、親和性の高い関係にあります。マーケティングオートメーションの持つ分析機能は、アトリビューション分析としても役立ちます。

マーケティングオートメーションは、マーケティング活動を半自動化することです。活用により、手動で行っていたマーケティング活動の精度向上が期待できます。

マーケティング活動による顧客との最初の接点は、広告やWebサイト（SNS）などが考えられます。マーケティングオートメーションは、その接点から流入した顧客の見込み度を高める自動化ツールです。

アトリビューション分析は、広告を活用したマーケティング施策のひとつ。広告の効果測定結果となる数値データを分析する手法です。マーケティングオートメーションの顧客データ分析としても親和性が高くなります。

アトリビューション分析の定義

アトリビューションは、掲載する広告ごとに設定するコンバージョン（達成目標）の貢献度その貢献度を視覚化します。広告活用の成果要因として数値化したデータがアトリビューションです。それらのデータ分析のことをアトリビューション分析といいます。

アトリビューション分析では、広告経由でコンバージョンにつながった場合、その流入経路や媒体ごとのタッチポイントなどを分析します。

アトリビューション分析の実行

企業のマーケティング活動では、アトリビューション分析を次のように実行します。ひとつの例として参考にしてみてください。

タッチポイントを明確にして仮説設定

アトリビューション分析は、顧客とのタッチポイントを明確にする必要があります。タッチポイントひとつに対して、前後の行動（流入）経路を明確にすることは大切です。初期段階では、それらのデータが十分ではありません。

そのため、ひとつのタッチポイントから、どのような経路でコンバージョンまで到達するかを予測する目的で仮説を立てます。

仮説に適したアトリビューション分析モデルの選定

タッチポイントからの顧客行動を想定した仮説は、アトリビューション分析の選定に役立てます。アトリビューション分析は、いくつかのモデルに分類できます。

均等配分モデルの場合は、タッチポイント要因となる貢献度を均等に評価します。似ているモデルの減衰モデルでは、貢献度が変化します。成果到達に向けて貢献度が高くなる変化をあらわすモデルです。この中から仮説に適したモデルを選定します。

コンバージョンデータを解析

仮説に適したアトリビューション分析モデルは、コンバージョン結果から貢献度を評価する必要があります。その際に、使うツールはアクセス解析ツールやマーケティングオートメーションツール（MAツール）です。

タッチポイントごとのCPAを判断

アトリビューション分析では、タッチポイントごとのCPAを割り出します。CPA（Cost Per Acquisition：顧客獲得単価）は、顧客をひとり獲得するためにかかったコストのことです。CPAは、タッチポイントごとに算出することで、段階ごとのコストの変化を把握できます。

予算の割り当て

アトリビューション分析でタッチポイントごとのコストが明確になれば、広告に掛ける予算の割り当ても具体化できます。アトリビューション分析は、顧客の行動推移だけではなく、ビジネスコストの最適化にも役立ちます。

まとめ：MAツール上で精度の高いアトリビューション分析を実現しよう

今回は、マーケティングオートメーションで活用するアトリビューション分析について、関係性や実行方法などを解説してきました。マーケティングオートメーションは、マーケティング活動の定量的な業務を仕組み化します。仕組み化は、MAツールによって自動で実行されます。

精度の高いアトリビューション分析の実現により、施策のコンバージョンデータだけではなく、CPAや予算の割り当てまで視覚化できます。MAツールの活用は、アトリビューション分析だけではなく、メールマーケティングやリードスコアリングなどの精度の高いマーケティング活動に役立つことでしょう。