インサイドセールスは、内勤営業のテレアポをイメージしている人も少なくないでしょう。テレアポなど電話営業に対して、相手が迷惑することも考えられます。
では、迷惑ではないインサイドセールスには何が必要なのでしょうか。この記事では、顧客企業の課題解決から始まるインサイドセールスについて解説します。
アポ取り架電が迷惑と思われるとき
アポ取り架電は、場合によって迷惑行為と思われます。どのようなときに迷惑と思われるのか紹介しましょう。
受け手の状況を無視した自社都合の架電
受け手の状況を無視した自社都合のアポ取り架電は、迷惑行為にも受け取られるでしょう。コロナ禍で様変わりした働き方は、BtoB営業にも影響を与えています。働き方改革やコロナを機に、テレワークを導入する企業も増えている状況です。
総務省が発表する「令和3年版情報通信白書」の統計調査では、次の結果となっています。
<2020年3月週間テレワーク導入状況>
・ 大企業:全体の33.7%
・ 中小企業:全体の14.1%
<2021年3月週間テレワーク導入状況>
・ 大企業:全体の69.2%
・ 中小企業:全体の33.0%
コロナの感染拡大状況にも左右されますが、テレワークの需要は着実に増えていることが考えられます。
データ引用元:総務省「令和3年版情報通信白書」
テレワークの普及により、最低限必要な人員で出社体制を整備している企業も少なくありません。つまり、出社している人員が少ない状況で、代表電話にかかる業者からの営業電話への対応が担当業務のパフォーマンスを下げてしまうことが考えられます。
はじめてなのに知ったふりの“うそつき営業”
アポ取り架電で迷惑と思われるときは、はじめての接触機会なのに「知ったふり」をするなれなれしい営業スタイルです。一見、フレンドリーなイメージを与えるかもしれませんが、相手の都合や状況も考えなければ単なる“うそつき営業”になってしまいます。
作業を止めることは相手の時間をうばう行為
アポ取り架電は、業務中の相手の思考と作業の手を止めることが考えられます。そのため、電話に出た相手の時間を奪う行為とも言えるでしょう。一方的な営業に対して、悪い印象が浸透すれば電話営業のイメージは下がる一方です。
インサイドセールス=架電=迷惑という認識は間違い
アポ取り架電に対して、迷惑という認識が定着してしまうと、インサイドセールス全般も悪いイメージを背負ってしまいます。このインサイドセールス=架電=迷惑という認識は間違っています。逆に、インサイドセールスはBtoB営業の重要なコミュニケーションのひとつです。
BtoB営業は相手への配慮が重要
BtoB営業は、相手あっての営業手法です。そのため、相手への配慮を優先しなければなりません。テレワークで出社している人員が少なければ、いきなりの電話ではなく、メールで様子をうかがうことも必要です。
電話を使うのは関係性が構築できてから
昨今、詐欺行為などにも活用されている固定電話への架電は、関係性の浅い状況に適していないことが考えられます。「数をこなせば当たる」という根性論で架電する時代は終焉を迎えているのではないでしょうか。
営業ツールに電話を使うのは、相手との関係性が構築できてからコミュニケーションのひとつとして利用することをおすすめします。
課題解決から始まるインサイドセールス3つの提案
これからのインサイドセールスは、アポ取り架電から始まる関係性構築では効果を期待できません。営業相手の課題解決から始まることが大切です。課題解決から始まるインサイドセールスには、3つの提案が考えられます。
課題解決につながる資料配布
インサイドセールスでは、相手企業の抱える課題を聞き取り、その課題解決につながる提案が必要です。そのためには、架電リストなども精度の高いターゲティングが求められます。リスト属性に精度を求められない場合は、ウェブサイトやメールなどを使ったタッチポイントも効果的です。その際は、ウェブサイトやメールに設置した資料請求(配布)などが考えられます。
課題解決につながるウェビナーへの招待
インサイドセールスの提案方法では、ウェビナーへの招待も効果的です。ウェビナーの内容が具体的であれば、課題がマッチングする企業の参加も考えられます。そのため、具体的な課題解決策を提案しましょう。
課題解決につながるメルマガの配信
インサイドセールスでは、メルマガ配信も効果的です。件名で具体的な課題解決に向けた訴求ができれば、本文を読んでもらえる可能性も高くなるでしょう。また、メールを活用したインサイドセールスは、マーケティングオートメーションで効率的に運用できます。
アポ取り架電を迷惑ととらえる相手の状況
アポ取り架電を迷惑ととらえる相手の状況は、時間にゆとりがない状況です。時間にゆとりがなければ、相手の課題を別の手段で入手する必要があります。その手段がインターネット上の情報と考えられます。
企業担当者は、プライベートの時間にも情報を入手しています。その際、会社が抱える課題解決につながる提案と遭遇すれば興味関心をひく可能性もあるでしょう。相手の状況を考えた営業スタイルは、24時間365日チェック可能なインターネットを介したタッチポイントではないでしょうか。
まとめ:迷惑ではない提案をするには顧客関係管理から見直そう
インサイドセールスが迷惑行為となりがちなのは、相手の都合をかえりみないアポ取り架電そのものではないでしょうか。アポ取り架電の相手の課題と解決策が一致している状況であれば問題ありませんが、それ以外の提案では相手の時間をうばう行為にもなるでしょう。
迷惑ではない提案をするには、顧客関係の構築は不可欠です。顧客関係性をデータ管理して顧客の心理状態に合った訴求を心がけましょう。