追客営業。その名のとおり、お客様を追跡していく(追いかける)イメージの営業スタイルです。
基本的に人は、追いかけられたら逃げていくものではないでしょうか。そのような習性をプラスに捉えた営業スタイル「追客営業」とは、どのような仕組みになるのでしょうか?
今回は、追客営業の仕組みと必要性について解説します。具体的に取り組む方法や重要なポイントなどもあわせて紹介するので、営業手法に興味ある方はぜひ参考にしてみてください。
追客営業の仕組み
追客営業の仕組みは、接点のあった顧客に対して訴求する営業スタイルです。たとえば、Webサイトに訪問してきた顧客が興味を持って会員登録してきた場合、登録したメールアドレスに興味関心の高い案内を送ります。その際、追い過ぎてしまうと顧客は離れてしまうため、数回に分けて適度な訴求をくり返すことにより、顧客との関係性を構築するスタイルです。
追客営業のメリットから必要性を考える
追客営業は、次の2つのメリットから必要性が考えられます。
顧客との関係性を構築できる
追客営業は、顧客との関係性を構築できます。見込み客の見込み度合いに合わせて訴求するため、無理な押し売りになりません。見込み客の購買心理が低い状態であれば、興味関心を高める情報提供により関係性を深めます。顧客の心理状態を変容させるために必要な営業手法です。
コストを抑えた訴求ができる
追客営業は、コストを抑えた訴求ができます。追客では、営業担当者による人海戦術ではなく、メールや電話などを中心としたコミュニケーションをはかるからです。つまり、営業担当者による訪問営業ではなく、メールを活用した複数同時配信が労力や時間コストを抑えられます。コストを抑えた訴求に必要な営業手法です。
追客営業に役立つ具体的な方法
追客営業では、4つの方法を使って見込み客の確度を高めます。具体的な4つの方法とは、次のとおりです。
- ・架電
- ・メール
- ・SNS
- ・ダイレクトメール
架電
架電は、電話営業(テレアポ)のことをいい、見込み客の興味関心に訴求できれば1対1の個別対応で成約を目指せる手法です。架電は、電話先の相手の反応をリアルタイムで判断できます。そのため、架電中に結果を得やすい点が特徴です。
メール
メールは、架電と違い1通のメールを複数の見込み客に配信できる特徴があります。訪問営業や電話営業のように1対1ではなく、複数の見込み客同時に訴求可能です。
送ったメールは、見込み客の都合で開かれるため、架電のようなタイミングを気にする必要がありません。追客営業では、ステップメールを活用して見込み客の購買心理に合わせた段階的な訴求を実施します。
SNS
SNSによる追客営業は、それぞれのSNSが持つ特徴を活かして訴求します。たとえば、次のとおりです。
- ・Twitter:140文字以内の短文で見込み客に役立つ情報を投稿
- ・Facebook:実名アカウントに向けて興味関心の高い情報で共感を得る
- ・Instagram:画像や動画により見込み客の興味関心をひく
追客営業でSNSを活用する際は、想定外の情報拡散が起きることを理解しておきましょう。情報拡散が悪い方向へ広がると炎上にもなるからです。
ダイレクトメール
ダイレクトメールは、住所と氏名の分かる見込み客に有効な方法となります。郵送で送る資料にもよりますが、豊富な資料を届けることも可能です。ただし、資料作成や印刷などにコストが掛かる点を理解しておきましょう。
追客営業で重要なポイント
追客営業では、3つの重要なポイントがあります。
初動
追客営業は、初動が重要です。初動は、見込み客と最初に接する機会を指します。初めて接点を持ったときに、見込み客が必要としない情報を押し付けることは避けましょう。初動で好印象を与えるには、見込み客の情報を事前調査および整理が必要です。
訴求タイミング
訴求タイミングは、追客営業の重要なポイントになります。訴求タイミングは、見込み客の購買心理プロセスにより見極めましょう。確度の低い状態で成約に向けた商談を始めても逆効果になる可能性が高くなります。訴求タイミングは、見込み客の態度変容が競合他社との比較段階あたりから提案してみてはいかがでしょうか。
育成
追客営業は、見込み客を育成する意識で取り組むことをおすすめします。その理由は、段階ごとに提案しながら、見込み客の不安をなくすための情報を提供して、少しずつ購買意欲を高めていくからです。この流れが、顧客を育てていくイメージになります。
追客営業は顧客を育てるイメージで取り組もう
今回は、追客営業について、重要なポイントなど解説してきました。追客営業は、商品やサービスの存在を認知してから購入に至るまでの期間が長い、高額な商品やサービスに対して考えられます。追客は、見込み客に対して営業をかける活動です。見込み期間が短ければ、一瞬の判断で購買意思を決定させなければなりません。
追客営業では、見込み客の購買心理を変容させながら購買意思決定を高めます。そのため、検討期間の間に顧客を育てるイメージで取り組む必要があるでしょう。